”Tele-Vision”
田口昇 Noboru Taguchi

Born in Niigata in 1980.

Selected Exhibitions
2012 “Tele-Vision”, Place M, M2 Gallery, Tokyo
2013 Rooms floor-1, Place M, Tokyo
2013 Rooms floor-2, M2 Gallery, Tokyo
2013 Tele-Vision, Zen Foto Gallery, Tokyo

Publication
Tele-Vision (Zen Foto Gallery, 2013)

部屋でぼんやりとTVを眺める時間は、多くの人にとって日常と思う。
TVには、会社と自宅の往復を繰り返す日常に対して、世界を圧縮したもう一つの現実が映されている。かの2011年を振り返れば、震災の後遺症が残る日本、嵐が吹き荒れた中東、金融基盤が崩れた欧州と世界が軋んだ瞬間を目の当たりした。日常に拘束された現実と報道映像とのギャップは、自分にとって何も出来ない虚しさに比例した。それに対する唯一の手段は、日々、誰も意識しないであろうフレーム上の一瞬と、画面上にドットで再現された現実を撮影することであった。これら現実のコピーを、自分の視神経を介して再構成した作品である。
本作、Tele-Visionは、情報の氾濫・非日常への無関心さ・消失していく記憶に対する畏怖と、それに逆らおうとする自分自身の記憶を託したものである。